相続税
みなし相続財産~生命保険金編~ 2022.9.26
1.みなし相続財産とは 生命保険のうち、死亡保険については民法上、受取人に帰属する財産に分類され、被相続人に帰属する財産ではないと取り扱われています。 しかしながら相続税法上は、その財産を相続財産の対象外にすることに弊害が出ることが予想されるため、相続税法上、一定の非課税枠を超える部分については、課税財産に算入することを定めています。 このような財産のことを相続税法上、みなし相続財産と言います。死亡保険金以外では被相続人が受け取るべきとして相続人に支払われる死亡退職金がこの財産に該当します。 2…
相次相続控除 2022.7.4
相次相続控除とは 相続税の申告を行うと、多額の納税額が発生してしまうことがあります。 もし数年の間に続けて相続が発生すると相続税の負担もかなり重いものとなり、また短期間に同じ財産に対して二重に相続税が課税されることになります。 このような場合に相続税の負担を軽減するため、相続税法では「相次相続控除」という制度が設けられています。 相次相続控除の要件 相次相続控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。 ① 被相続人の相続人であること この制度の適用対象者は、相続人に限定されていますので、相…
相続税申告で「死亡診断書」の費用について 2022.5.23
相続税を計算するときは、遺産総額から借入金などの債務や葬式費用を控除できます。 葬式費用には、医師に交付してもらう死亡診断書も含まれます。 死亡診断書の料金は保険診療外となります。 相続税を計算するときに葬式費用として控除できますが、被相続人が死亡した年の医療費控除に含めることはできません。 ・生前に病院へ支払った治療費や入院費…(所得税) 被相続人の準確定申告で医療費控除申請可能 ・死亡後に病院へ支払った治療費や入院費…(所得税) 被相続人と生計を一にしている親族の確定申告で医療費控除申請可能…
成年(成人)年齢引き下げによる相続税・贈与税への影響について 2022.4.11
2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。この成年年齢の引き下げは相続税や贈与税にも影響します。 どういった点に影響があるのか説明させてもらいます。 1.相続税への影響 成年年齢引き下げで、「未成年者控除」が影響を受けます。 相続人が未成年者だと一定額を相続税額から控除できるのですが、この未成年者は3月31日まで「20歳未満」という意味でした。 これが4月1日以降、「18歳未満」に変わります。 3/31まで:「相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満 ⇓ 4/1から…
相続時における金の評価 2022.2.15
金・プラチナ等の貴金属を相続する場合、これらの資産も当然相続税の課税対象となります。 これらの財産評価額は相続開始日の業者買取価格をそのまま用いるので、金買取業者等のホームページで確認するか、金買取業者等に電話等で相続開始日の相場を聞いておきましょう。 なお、金地金に特定の金買取業者名が刻印されている場合に、その業者の相場を採用しないといけないかどうかの決まりはないため、納税者が任意の金買取業者の相場を選択して構いません。 また、相続開始日が休日等で金相場がないときは、上場株式等に準じて相続開始…
年の中途に推定相続人になった場合の相続時精算課税の適用 2021.11.10
贈与者又は贈与者の子との養子縁組などにより、年の中途に贈与者の推定相続人又は孫になることがあります。 相続時精算課税は、60歳以上の贈与者から、20歳以上の推定相続人である子又は孫が受けた贈与について適用することができます。 この時の年齢は贈与の年の1月1日現在のものになります。 したがって、年の途中に養子縁組などにより贈与者の推定相続人なった場合や孫となった場合には、推定相続人又は孫となる前に贈与を受けた財産については、相続時精算課税の適用を受けることはできません。 相続時精算課税贈与について…
相続税の延納・物納とは 2021.11.2
相続税は、納期限までに金銭で一時に納付することが原則です。 しかし、相続税は高額になる場合があるため、金銭一時納付が困難な場合には延納、延納によっても金銭納付が困難な場合には物納という形で、特殊な納税方法が認められています。 ~納税方法~ 1金銭一時納付 金銭で納付すること。(原則) 2延納 金銭での納付が困難な場合に、担保提供等所定の条件を満たせば、年賦による分割納付が認められます。 相続税の納税は金銭一時納付が原則であるため、相続した現預金及び相続人固有の現預金からその相続人の職業及び生活の…
相続放棄があった場合の死亡保険金の評価方法について 2021.9.27
被相続人が保険料を負担していて、被相続人の死亡により支給を受ける保険金(以下「死亡保険金」という)を受け取る人が相続放棄をしていた場合、この相続人は死亡保険金を受け取ることができるでしょうか。 答えは「受け取ることができる」です。 なぜならば、民法上、死亡保険金は受取人固有の財産だと考えられており、相続財産ではなく、死亡保険金は相続放棄の対象とみなされないからです。 しかし、死亡保険金は税法上では「みなし相続財産」となり、相続人が受け取った時はもちろん、相続放棄している人が死亡保険金を受け取った…
民法における代襲相続 2021.9.13
代襲相続とは、本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹がすでに死亡していた場合等に、その者の子が代わって相続することを指します。 代襲相続が発生する条件は以下の通りですが、一般的には「①の被相続人よりも先に法定相続人が死亡している場合」が多いかと思います。 ①被相続人よりも先に法定相続人が死亡(同時死亡を含む) ②被相続人の相続人が「相続廃除」に該当 ③被相続人の相続人が「相続欠格」に該当 「法定相続人」とは、民法で定められている「被相続人の遺産を相続する権利がある親族」のことです。 被相続人の…
相続税申告における電話加入権の取り扱い 2021.9.6
携帯電話が普及している現代ではそもそも電話加入権って何?と思われる方も多いと思いますが、電話加入権とは「NTTの固定電話回線を使用するための権利」のことです。 NTTに固定電話の契約を申し込む際に「施設設置負担金」を支払うことで取得する権利なのですが、この負担金額は時代とともに変動しています。 料金の変遷ですが、NTTの前身となる日本電信電話公社の発足後1953年には債権額は60,000円でした。 1960年には10,000円、1968年には30,000円、1971年には50,000円、1976…